アントニイ・バークリー
『毒入りチョコレート事件』 訳:高橋泰邦 創元推理文庫
原題:The Poisoned Chocolates Case (1929)
或るクラブに送られてきたチョコレートにより毒殺事件が起こる。
難航する捜査を続けてきた警察は、捜査を打ち切る様相を見せはじめた。そこでロジャー・シェリンガムは、その事件を自分が運営する「犯罪研究会」で、実際に調査・推理してみたいと警察に提案してみたところ、警察ではしぶしぶながらもそれを認め、さっそく研究会の会員6名による調査がはじまった。 みな、それぞれに独自の仮説、その証明、解釈などを展開していくのだが、果たして誰が犯人なのか。
『ピカデリーの殺人』 訳:真野明裕 創元推理文庫
原題:The Piccadilly Murder (1930)
チタウィック氏は、訪れたホテルで老婦人が毒殺される現場を目撃してしまい、訴追側の証人として渦中の人となった。或る日、公爵家から招待されたのだが、それは容疑者を知る複数の人物からの巧妙な誘いであったのだ・・

パトリシア・ハイスミス
『リプリー』 訳:** 河出文庫
原題:** (19**)
う〜ん・・

ジュリー・パーソンズ
『メアリー最期の八日間』 訳:** 扶桑社ミステリー
原題:** (19**)
聡明な女性の娘が、死体で発見される。一癖ある刑事によって犯人は逮捕されるが・・・。そして娘の父親は?

ジョージ・ハーディング編
『ポートワインを一杯』 訳:青木久恵 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Winter's Crimes 7 (1983)
R.レンデル他11人の作家による短編集。どれも面白い。お勧め。

ジョン・ハットン
『偶然の犯罪』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Accidental Crimes (1983)
真面目で教師という仕事も熱意を持ってこなす模範的市民のコンラッド。ヒッチハイクをしていた娘に出会った時から、徐々に彼の運命が狂っていく。娘は別れた直後に何者かに殺されてしまい、コンラッドは殺人の容疑をかけられてしまった。恥ずかしい行為を隠そうと、警察に小さな嘘をついたコンラッドは、思いもよらぬ窮地に立たされてしまう。

ガイ・バート
『穴』 訳:矢野浩三郎 アーティスト・ハウス
原題:The Hole (1993)
パブリック・スクールの学生6人が、敷地内にある忘れられた地下室への階段を降りていく。「人生の真実を知る実験」というゲームを発案したマーティンは外に残り、他の5人は自ら地下室に閉じこもった。もちろん、3日間の食料を持って。自力では外に出られない構造になっているこの部屋で何が起こったのか・・。
『ソフィー』 訳:黒原敏行 創元推理文庫
原題:Sophie (1994)
広大な庭のある屋敷に住む姉ソフィーと弟マシュー。父は家にあまり寄り付かず、 母はなぜか子供の世話をしないという状況のなかで、姉弟は学校の友達とではなく、二人だけの世界で暮らしている。 楽園といっていいその世界が崩壊したのはなぜなのか・・・。

トマス・ハリス
『レッド・ドラゴン』(上・下) 訳:小倉多加志 ハヤカワ文庫NVq
原題:Red Dragon (1981)
満月の夜に連続して一家惨殺事件があり、全米に恐怖が走った。 FBI元捜査官のグレアムは過去に異常殺人の捜査において優秀だったため、今回もこの捜査に加わった。或る事から犯人はグレアムの存在を知り、彼を狙おうとする・・
『羊たちの沈黙』 訳:菊地光 新潮文庫
原題:The Silence of the Lambs (1993)
連続殺人事件が起こり捜査に行き詰まったFBIは、元精神科医で連続殺人を犯しているドクター・レクターに連続殺人犯の動機などについて質問して捜査のヒントを得ようとする・・・・
『ハンニバル』 訳:** 新潮文庫
原題:** (19**)
羊たちの沈黙の解説本といった感じ・・

リチャード・ハル
『他言は無用』 訳:越前敏弥 創元推理文庫
原題:Keep it Quiet (1935)
社交場であり、憩いの場であるクラブに集う会員達のタイプは色々。その中の一人がクラブ内で死亡した。知らせを聞いた幹事は冷静さを失い、事実を確認せずに先走った行動をとってしまう。それはひとえに従業員を守るのとクラブの体面をおもんばかってのこと・・・
『伯母殺人事件』 訳:大久保康雄 創元推理文庫
原題:The Murder of My Aunt (1935)
リチャードは遺産欲しさに伯母を殺害しようと企む。殺人計画は一度二度と執拗にたてられ、ついに・・・となるのか?

イアン・バンクス
『蜂工場』 訳:野村芳夫 集英社文庫
原題:The Wasp Factory (1984)
推理でもサスペンスでもない・・。解説を読むと、「ニュー・ホラーとでも呼ぶべき云々・・」とある。
16歳のフランクが想う事やその行動は奇妙だけれど、彼にとってそれは、精神病院にいる兄を想う気持ち同様、とても大切なことだった・・・。
『共鳴』 訳:広瀬順弘 ハヤカワミステリアス・プレス文庫
原題:The Hole (1993)
新聞記者が殺人の容疑で逮捕されてしまうが真相は?
スコットランドが舞台です。
『秘密』 訳:高儀進 ハヤカワノベルズ
原題:Whit (1995)
スコットランドの片田舎。教祖の孫娘アイシスは教団の祝典が間近になったある日、従姉のモーラグから改宗して教団を離れたいという手紙を受け取った。
ロンドンにいる従姉に会うために旅に出たアイシスは、教団関係者や教団そのものの秘密を徐々に知ることとなり・・・。

エリス・ピーターズ
『聖女の遺骨求む』 訳:大出健 教養文庫
原題:A Morbid Taste For Bones (1977)
12世紀イングランド。ベネディクト会シュールズベリ大修道院では、聖人の遺骨を手に入れ、修道院の守護聖人に祀ろうという計画が持ち上がっていた。修道士カドフェルは野心家の副修道院長と共に、ウェールズの小さな村に遺骨を求めに出かけてゆく。。

アキフ・ピリンチ
『猫たちの聖夜』 訳:池田香代子 早川書房
原題:Felidae (1989)
生意気でりこうな猫フランシスは、飼い主と共に古いアパートに引っ越してきた。近所の探索中に仲間の死体を発見した彼は、知り合いになった「青髭」から最近の出来事を聞く。こんなひどい事をしたのは人間か?それとも・・?長老猫パスカルの協力のもとに調査を開始したフランシスは、過去に恐ろしい実験を繰り返していた科学者の手記を発見する・・

スーザン・ヒル
『黒衣の女』 訳:河野一郎 早川文庫
原題:The Woman In Black (1983)
沼地の方から馬車の音。子供の泣き叫ぶ声。亡くなった老夫人の遺産整理をしていた弁護士キップスを襲う真夜中の怪奇。 夫人の葬儀に現れた黒衣の女の正体とは。。

レジナルド・ヒル
『社交好きの女』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:A Clubbable Woman (1970)
ラグビー選手の夫とラグビー・クラブで人気の妻。その妻が夫のいる家で殺された。夫婦間が冷めていたことから、夫が疑われるが・・・。
太っちょアンディ(ダルジール警視)もクラブのメンバーだなんてオドロキ。
ダルジールはスコットランド人。Dalzielは「ディーエル」と読むのだそうです(何かに書いてあった)。でも原書が読めないので「アンドルー・ダルジール」のままです.
『殺人のすすめ』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:An Advancement of Learning (1971)
様々な問題を抱えた大学の庭から、白骨死体が出てきた。現在の問題が白骨死体の謎と絡み合い・・・。
実力で警視になったダルジールと大学出のパスコーが捜査を開始します。
『秘められた感情』 訳:松下祥子 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Ruling Passion (1973)
旧友との再会のつもりが、招待主以外が惨殺されてしまった。ピーターは管轄外ではあるが、調査を始める。
『四月の屍衣』 訳:松下祥子 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:An April Shroud (1975)
ダルジールは休暇で田舎を訪れ、偶然知り合いになった人物の家に滞在することになる。その家の主人は不慮の事故死らしいが死因に疑問が・・。
『パスコーの幽霊』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:Pascoe's Ghost (1979)
短編集。ダルジールものは2作ありますがシリーズものでない作品もとても面白いです。
『薔薇は死を夢見る』 訳:嵯峨静江 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:Deadheads (1983)
少年の大伯母の死。その少年がやがて青年となり、勤め先の同僚の急死。これらの死は薔薇好きなパトリック少年(青年)によるものなのか・・。
『死ぎわの台詞』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:Exit Lines (1984)
3人の老人が死んだ。一人はグラウンドで転倒して、一人は自分の家のバスルームで何者かに襲われ、一人は交通事故で・・・。3人とも死に際に言葉を残しているので、それを手掛かりとして調査は進められる。
交通事故死・・・車に乗っていたのはダルジールだった・・・。
『子供の悪戯』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:Child's Play (1987)
第二次大戦で行方不明になった息子の死が信じられない富豪の未亡人が死んだ。葬儀の席には遺産相続できると思っている親類や団体がいたが、息子と名乗る人物が現れた。ダルジールは本人かどうかの調査依頼を個人的に受けるが、その矢先に殺人事件が起こる・・・。
『骨と沈黙』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
原題:Bones and Silense (1990)
ダルジールは「殺人」を目撃した。しかし、拳銃を手にした男は、妻の自殺を止めようとしたのだと言う。事故死と裁定されたにもかかわらず、殺人事件として尚も調査をするダルジール警視。。。
『ダルジール警視と四つの謎』 訳:秋津知子他 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Asking for the Moon (1994)
中編集。「パスコーの幽霊」と「ダルジールの幽霊」の他、2作が収められています。
『完璧な絵画』 訳:秋津知子 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Pictures of Perfection (1994)
中部ヨークシャーの人里離れた谷間の小さな村、エンスクーム。 若い駐在巡査の失踪事件を調べるためにやってきたダルジール、パスコー、ウィールド。 調べを進めるにつれて大地主一家の相続問題、若い牧師の恋、小学校の存廃など、村では様々な問題が起きていた。 そして年に一度の村の祝宴の日、事件は流血の大参事へと発展する。

イーデン・フィルポッツ
『赤毛のレドメイン家』 訳:宇野利泰 創元推理文庫
原題:The Red Redmaynes (1922)
英国ダートムアとイタリアのコモ湖が舞台の古典推理小説です。

エリザベス・フェラーズ
『自殺の殺人』 訳:** 創元推理文庫
原題:** (19**)
身投げしようとした男エドガーは、すんでのところで助けられた。しかし翌朝、仕事場へ赴いて拳銃自殺を遂げてしまう。何故自殺しようとしたのか、本当に自殺なのか?他殺ではないのか?
『さまよえる未亡人たち』 訳:中村有希 創元推理文庫
原題:The Wandering Widows (1962)
久しぶりに帰国したロビンは、休暇をスコットランドで過ごそうと空港に向かった。旅先で知り合った、賑やかなお喋りに昂ずる4人の婦人達や、どことなく憂いをおびたミス・バーバーと数日を過ごしたが、楽しいはずの休暇で死人が出てしまう。亡くなったのは婦人4人組の一人。自殺か他殺か、他殺ならば何故彼女が?ロビンは事件に巻き込まれていく・・。

ディック・フランシス
『興奮』 訳: 菊地光 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:For Kicks (1965)
レースで大穴が続く。不正が行われたのは明らか。種馬牧場経営者は真相をつかもうとするが・・。
『利腕』 訳:菊地光 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Whip Hand (1979)
ディック・フランシスといえば競馬モノです。
本命馬が次々とレースで負けていく。不正があった形跡はない・・・。シッド・ハレーが調査を始めるが・・・。

クリスティアナ・ブランド
『はなれわざ』 訳:宇野利泰 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Tour de Force (1955)
舞台は地中海。スコットランドヤードの警部が休暇でイタリア旅行を楽しむはずだったのに、殺人事件がおきてしまい、犯人捜査を手伝うことになってしまう・・・。
『招かれざる客たちのビュッフェ』 訳:深町眞理子他 創元推理文庫
原題:Buffet for Unwelcome Guests (1983)
短編集です。

リンダ・ラ・プラント
『第一容疑者』 訳:奥村章子 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Prime Suspect (1991)
売春婦が惨殺された。捜査は初期の段階で、指揮をとった主任警部がミスを犯したようだった。後任のジェイン・テニスン主任警部は女性で気が強く、好感を持たれ難い人物でチームの刑事達からは不評だったが、前任者のずさんな捜査によって難航している事件を全力で追いはじめる。

ニコラス・ブリンコウ
『アシッド・カジュアルズ』 訳: 玉木亨 文春文庫
原題:ACID Casuals (1995)
セクシーなコロンビア人女性は、或る人物を殺せとの指示を受けてマンチェスターにやってきた。彼女にとって故郷のマンチェスターで、ターゲットは古くからの知人。目的を遂げるために彼女はどうするのか?
麻薬の名前が次から次に出てくる。アシッドとはLSDのことで、LSDとは幻覚剤の一種らしい。。雨と夜とダンス音楽の大音響とビデオのチカチカする画面とマリファナ煙草の煙とお酒の臭い・・・
『マンチェスター・フラッシュバック』 訳: 玉木亨 文春文庫
原題:Manchester Slingback (1998)
ロンドンに暮らすジェイクは、17歳の頃マンチェスターで男娼をしていた。
当時、仲間の一人が何者かに惨殺され、それは未解決のままに15年が過ぎた。或る日、マンチェスターから来た警部によって当時の知り合いがまた一人、15年前と同じ手口で殺害されたことを知る。ジェイクはマンチェスターに戻り、当時を振りかえる・・・。
同じ人物が登場するので、こちらを先に読んでから『アシッド・カジュアルズ』を読むことを勧める。

ケン・ブルーエン
 『ロンドン・ブールヴァード』 訳:鈴木恵 新潮文庫
原題:London Boulevard (2001)
3年の刑期を終えたミッチェルは堅気の生活をしようと決意するが、出所後にかつての仲間に危ない仕事を手伝うよう勧められる。一方でふとしたことから大きな屋敷の雑用係として雇われることになるのだが、そこは往年の大女優の家だった。

タナ・フレンチ
『悪意の森(上下)』 訳:安藤由紀子 集英社文庫
原題:In The Woods (2007)
20年前、仲良し3人組がダブリン近郊ノックナリーの森から姿を消した。数時間後、アダムだけが発見され、あとの2人は未だ行方が分からない・・。
アダムは成長して刑事となる。名前もロブと変えた。頼もしい相棒キャシーと共に、殺人課で成果をあげていた折、 またしてもノックナリーで事件が起こる。12歳の少女が殺害され発見されたのだ。ロブは20年前のことがあり動揺しながらも捜査を始めた。

ニッキ・フレンチ
『素顔の裏まで』 訳:務台夏子 角川文庫
原題:Beneath the Skin (2000)
若くて可愛らしい教師ズーイ、3人兄弟の母親ジェニファー、マジシャンとして生計をたてるナディア。全く面識のない3人だが、彼女達は同じ不安と恐怖で繋がってゆく。

モー・ヘイダー
『死を啼く鳥』 訳:小林宏明 ハルキ文庫
原題:Bird Man (1999)
ロンドン、ノース・グリニッジで5体の腐乱死体が発見された。被害者はいずれも女性で、恐ろしいことに胸部を切り開かれ、中には小鳥が縫い付けられていた。何故そんなことをするのか、その意味は?
圏内重要犯罪捜査隊は犯人を絞り込むが事件解決にはいたらず・・・
『悪鬼の檻』 訳:小林宏明 ハルキ文庫
原題:The Treatment (2001)
自宅で監禁され、瀕死の状態で発見されたピーチ夫妻。連れ去られた息子のローリーは遺体で発見され,子供たちの間では犯人像として「トロール」という不気味な名前が囁かれる--。捜査を担当する警部は過去と現在を結ぶある事実に行き当たるが・・。

サイモン・ベケット
『法人類学者デイヴィッド・ハンター』 訳:坂本あおい ヴィレッジブックス
原題:The Chemistry of Death (2006)
死体を検分し身元や死に至った状況を推測するのがデイヴィッドの過去の仕事だったが、今は静かな村で医者として暮らしていた。しかしその村で腐乱死体が発見され、やむをえず捜査に協力することになった・・

C・C・ベニスン
『バッキンガム宮殿の殺人』 訳:宮脇裕子 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫
原題:Death at Buckingham Palace (1996)
バッキンガム宮殿内で、女王は使用人の「死体」を発見した。そこに居合わせたのはメイドのジェイン。つかの間ではあったが、女王に聞かれるままにこの使用人について話したところ、 事の真相を密かに探って欲しいと命じられた。徐々に、宮殿内で働く者達の秘密が明らかになっていく。
『サンドリンガム館の死体』 訳: 宮脇裕子 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫
原題:Death at Sandringham House (1996)
ノーフォークにある女王私有の邸宅であるサンドリンガム館に、今年のクリスマスも女王一家と招待客が滞在することになった。狩りの途中で昼食会の為に立ち寄ったヴィレッジホールで女王は死体を見てしまう。以前に女王の”手伝い”をしたことのあるジェインは、またしても女王から調査するようにと密かに命令を受ける。
ジェインと共に(更には女王とも!)、真相を探っている気になります。
『ウィンザー城の秘密』 訳: 宮脇裕子 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫
原題:Death at Windsor Castle (1968)
6月第三月曜日、ガーター爵章叙勲式の朝にすべては始まった。毎年ロイヤル・アスコット競馬の時期は、宮廷がバッキンガム宮殿からウィンザー城に移され、王室スタッフも同様である。もちろんメイドのジェインも。
ガーター騎士団の行進を見物しようとメイド服から私服に着替えていたところ、「玉座の間」に大至急来るようにと言われ、広くて複雑に入り組んだ城内を急いで進んだ。玉座の間でジェインを待っていたのは女王陛下だった。そして陛下から、 この部屋でミスター・ペティボンが背中に剣を刺されて殺された事を知らされる。
陛下からの用向きを適切に処理し、その後まもなくこの事件も解決する。犯人が自白したのだ。しかしジェインは何かが引っかかる・・・

ルネ・ベレット
『わが体内の殺人者』 訳: 高野優 ハヤカワ文庫
原題:La Machine (1990)
精神科医マルク・ラクロワ博士は、母親から性的虐待を受けたせいで女性が憎くて傷つけたくなるという性癖を持った、ミシェル・ジトという精神病患者の治療にあたっていたが、ある日、博士が秘密に行った実験により、ラクロワとジトの人格が入れ替わってしまった。博士の肉体を手に入れたジトは、ラクロワになりすまして生活を始める。ラクロワは自分の肉体と家族を取り戻す事ができるだろうか。

アン・ベンソン
『暗黒の復活』(上/下) 訳: 古賀弥生 徳間文庫
原題:The Plague Tales (1997)
2005年4月、英国で発掘調査をしていた米国人ジェイニーは、土のサンプルと一緒に600年前の腺ペスト菌が付いた布を採取してしまった。
一方14世紀、ユダヤ人医師アレハンドロはスペインを追われ、フランスで身分を偽り英国に渡る。その頃ヨーロッパや海を渡った英国では、黒死病(ペスト)が猛威を振るっており、アレハンドロは医師として懸命に疫病と闘った。
時代の違う二つの物語が「ペスト菌」で繋がっています。いわゆるバイオ・スリラーです。
(この作品に登場する英国国王エドワード三世の時代に、フランスとの「百年戦争」に突入。またエドワード三世はガーター騎士団を創設した。)

ペーター・ホゥ
スミラの雪の感覚 訳: 染田屋茂 新潮社
原題:Miss Smilla's Feeling For Snow (1992)
コペンハーゲンに住むスミラ。彼女の友人である少年イザイアが転落死する事故があった。 スミラはこれを事故ではないと直感する。イザイアの死について一人で調べていくうちに グリーンランド人である彼の父親も関係があるのではと疑う。 父親もまた不審な死を遂げていたのだ。 やがてスミラは氷に覆われた北極海を進む船に単身乗り込み、危険を冒しながらも真相に迫る・・

ジョイス・ポーター
『切断』 訳: 小倉多加志 ハヤカワ・ミステリ文庫
原題:Dover and the Unkindest Cut (1967)
意地悪で嫉妬深い、要するに感じ悪いドーヴァー警部モノです。
殺人事件(手足を切断されていた)を捜査していた巡査が自殺した。捜査の行き詰まりを苦に自殺とは考えられないということで、ドーヴァーは仕事を託される。

タム・ホスキンス
『心療室』 訳: ** 講談社文庫
原題:** (19**)
女性セラピストのもとにやって来た患者は妹と母親を殺したのか?結末が恐い。

アンネ・ホルト
『女神の沈黙』 訳: 柳沢由実子 集英社文庫
原題:Blind Gudinne (1993)
ノルウェー、オスロ。犬と散歩に出かけた弁護士カレンは、死体を発見する。容疑者のオランダ人はまもなく逮捕され容疑も認めたものの、何かに怯えている。オスロ市警の法務官警視正であるホーコン・サンドと女性警部補のハンネは 驚くべき真相をつかむことができるのか・・。
『土曜日の殺人者』 訳: 柳沢由実子 集英社文庫
原題:Salige er de Som Torster... (1994)
ノルウェーのオスロが舞台。土曜日になると不可解な事件が起こり、別の場所ではレイプ事件。この関わりを探る女性警部補がいい。
『悪魔の死』 訳: 柳沢由実子 集英社文庫
原題:Demonens Dod (1995)
オスロの児童保護施設で所長のアグネスが刺し殺された。同じ日、普段から何かと問題のあった12歳の少年が行方不明になった。少年の捜索と共に施設の職員達を事情聴取していくと、彼らには隠された顔があった。アグネスを殺したのは誰か?